Memo

米長邦雄羽生善治『勉強の仕方』(220頁より)
 羽生さん
 “将棋には、ある意味で“狂気の世界”の部分があると思うんです。そういう世界というのは一度入ったら二度と戻ってこれないから、ちょっと行くのは躊躇する。ただ入り口があるのはわかるんです。見えている。そこに入るともう二度と出てこれないという怖さがあります。
 だから目一杯アクセルを踏み込んで“狂気の世界”を駆け抜けるということも不可能ではないと思いますが、一度、その中に入ったら戻ってこれない。私はそういう世界に入りたくはありません。
 だから、将棋が人生のすべてだとか、全人格を賭けた戦いだというふうには考えず、一つの技術だと思っています。将棋における人生と、日常生活での人生とをドライに割り切っていくほうがいいというか、自分に向いている気がします。”
*té → http://bit.ly/13GEPh