2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小林秀雄『人生の鍛錬』より

“生活しているだけでは足りぬと信ずる処に表現が現れる。表現とは認識なのであり自覚なのである。いかに生きているかを自覚しようとする意志的な意識的な作業なのであり、引いては、いかに生くべきかの実験なのであります。”(147頁)

小林秀雄『人生の鍛錬』より

“例えば、私は何かを欲する、欲するような気がしているのではたまらぬ。欲することが必然的に行為を生む様に、そういう風に欲する。つまり自分自身を信じているから欲する様に欲する。自分自身が先ず信じられるから、私は考え始める。そういう自覚を、いつも…

旅の終わり。次のはじまり。

★ハンバートハンバート “旅の終わり” http://www.youtube.com/watch?v=a3V9HLKHNMc*30歳になる前にはじめたこと。→海にいくこと。泳ぎにいくこと。海に抱かれて、風に吹かれているだけで、ほかに何もいらないよな。これからは海のある暮らし。海にかえろ…

夜が深くなったときに聴くTom Waitsは空気に沁みいる。

★Tom Waits "I'm Your Late Night Evening Prostitute" ★Tom Waits "Had Me A Girl"*これでよかったのだし、今が在るべくしてあると思えるようになりつつある。土に還すことがやっとできたように思う。大事な人がいなくなったことに慣れることは今もできな…

大野一雄『稽古の言葉』より

“お父さんお母さんが子供を育てるときに、お父さんお母さんだけで育てるわけにはいかない。われわれが住んでいる世界があって、たくさんの人と一緒に住んでいる。お父さんお母さんお父さんお母さんお父さんお母さんだけでなく、たくさんの人たくさんの人たく…

大野一雄『稽古の言葉』より

“私にはわからないが、科学者によれば人間は海からきた。水がある。水は岩を砕く。水は水蒸気となる。考えられないような量の物が繰り返し動いている。衝突があって、火があり、水蒸気となって雨となってそれを巡り巡る。いうなれば海は地球の血液のようなも…

詩がやってくるとき

今撃とうとする鳥に 安永稔和 “なぜ 数多くの たくみに飛ぶ 鳥のなかから おまえをえらび なっとくできぬまま おまえをうち殺すのか。 なぜかならず ひとりのおまえをえらぶのか。 なぜかならず ひとりのおまえを殺すのか。 数多くの枝を 手をふれるまま 折…

詩がやってくるとき

ヘソのうた 塚原直人“このよのなかに うまれてこなければ よかった このおれが うまれてしまった という まちがいの きずあとだ ほくろのようにくっついて しぬまで もうなおらない きずあとだ。 おまえが おおぜい のなかへ おまえを なくしそうになったと…

巡礼終盤

巡礼をきちんと終わらせるためにも、次のはじまりのためにも、今できることに集中したい。それしかない。 “命の限りを尽くす 初心” 大野一雄