2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

野呂邦暢『夕暮の緑の光』より

人はみな銀行員に生れつくのでも、作家に生れつくのでもない。しかしせっぱつまったときペンを取りあげて、彼は、と書きだせばその人は作家でありうる、少くとも何分の一かの。なぜ書くかというサルトルやブランショの形而上的に壮大かつ精緻をきわめた分析…

古井由吉『人生の色気』より

・・・土地の支えがなくなった人間や文学は、つらいものです。 まったく歴史のない場所から、人はいったい、何を生み出すことができるのでしょうか。 貧寒たる文学環境の中で、僕自身は、なるべく丁寧に言葉を綴る、というただ一つを心得にしてきました。僕…

エリック・ホッファー 『構想された真実』より

自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかるのはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。(52頁) 有意義な人生とは学習する人…

ユーリー・ノルシュテインさんのお話

ユーリー・ノルシュテインさんのお話(DVD『宮崎駿とジブリ美術館』より)「生活から生まれた小話を読みました。ふたりの女性の会話です。 “今日はなんて良いお天気でしょう。” “昨日亡くなった人はかわいそうね。” ここに人生のすべての哲学があるのです。…

自分の存在を越えて在る“生き延びる”哲学へ

世間で言われる“成功”なんてものに興味はないが、この時代をどう生き延びていくかということは切実な問題として在る。その感覚は人間という生物種が欲求する生存欲に近いのかもしれない。 突き詰めて考えると、今の時代において“成功”するということは、生き…

些細な仕事などない。仕事は自分の生き様を写す鏡だから。

名刺作り。とても些細な仕事に思えなくもない。でも、仕事の本質から考えると、些細かどうかなんて関係ないんだ。その仕事にどれだけ自分を、自分の生き様を注ぎ込むことができているかどうか。その気合いが仕事を仕事たらしめる。(それが魔法になるときだ…