詩人まどみちおさん NHKスペシャルより

◆息子さんを亡くされたときを回想しながらの言葉
 “私は何も助けてやることができなくて 
 あれ向こうにいってしまったんです。
 最後的には泣いとるだけです。
 「命」っていう言葉を人間が持っているのが
 その言葉を持っとるのが救いみたいな気がします。
 「命」っていう言葉がもしなかったらば、
 もだえ死んじゃうみたいな感じ。 そのことだけで何にもなくて・・・。

 「命」という言葉があるおかげで、涙をだすことができます。
 命のないものは何ひとつないということだ。
 その涙がしみじみと我が身を潤してくれます。”


◆奥さんが怪我をされた後、回復して誕生日を祝いに来てくれたとき、涙を流して気づいた言葉
 “自分のまつげのところにはいつも虹があるんですよ。
 涙が出さえすれば、虹になってるんです。
 それをただ私自身が気づかないけど、しかし私は見えないけれど、 
 「あぁ自分のここに涙、虹が、小さい虹が出てるな」って思うことはできますんで、
 思うとほんとできてるようで、 
 涙ちゅうのはどんな人でもそうでしょうけど
 とっても、涙を出した本人に身近なもので、本人が頼りにしているもので、
 最後の一滴みたいなものですからね。
 あぁ、涙が持ってる虹っていうのは素晴らしいですよ。”
 

◆高校生に幸せとは何かを聞かれたときの言葉
 “幸せっていうのは自分が生きている現在、
 現在を肯定的に見ることができる人は幸せだと思います。
 「全部に感謝しながら」という感じで暮らしていくのが
 自分も幸せ 他の者も幸せになるんじゃないかと思います。”