鶴見俊輔 『言い残しておくこと』より

 本についている帯の言葉だけを見て、即買いしてしまった。忘れていたがとても大切な言葉であり、哲学であり、生きる姿勢である。今一度胸に刻んでおきたい。
 『善人は弱いんだよ。善人として人に認められたいという考えは、私には全然ない。I AM WRONG.悪人で結構だ。』
 『「私は人を殺した。人を殺すことはよくない」―――そういうことを人前で、一息でいえるような人間になりたい。それが私の理想です。もちろん、人を殺したくなんかない。だけど、運がよかったからといって、人間としてのこの問題から逃げるわけにはいかない。そういうものとして、私は戦後六十二生きてきたんです。』