夜が深くなったときに聴くTom Waitsは空気に沁みいる。

Tom Waits "I'm Your Late Night Evening Prostitute"
Tom Waits "Had Me A Girl"

*これでよかったのだし、今が在るべくしてあると思えるようになりつつある。土に還すことがやっとできたように思う。大事な人がいなくなったことに慣れることは今もできないけれど、受け入れることはできるようになりつつある。これでよかったんだ。成るべくして成ったんだ。“出逢えたことがすべてだったんだ”し、それ以上何もいらないんだよな。

*巡礼に出て大きな収穫は「生きている人たちは全員宇宙飛行士なんだ」と確信できたことかな。出る前から漠然とそんなこと思っていたけど、これは真理に近いんじゃないか。どこで生まれようと、何をしていようと、肩書きがなんであろうと、人間等しく今を生きる宇宙飛行士なんだと思う。土をいじろうと、パソコンと向かい合う日々を送っていようと、人間すべて宇宙飛行士なんだ。Atronaut、宇宙飛行士としてこの惑星に生きているのであり、地球の外に出る人だけが宇宙飛行士なんじゃない。宇宙飛行士としてこの地球に生きているんだ。
 この惑星は相当スゴイし、すばらしい場所だと思う。地球の外に出たって、オレ、やっぱりすぐに地球のこと、恋しくなると思うし。今を生きる宇宙飛行士としてやるべきことは、地球の外に出ようとするんじゃなくて、この地球に今あるものを再発見すること。見えなくなってしまったことを、少しでも見えるようにすること。それこそが、宇宙飛行士の本当の仕事だ、と思う。

*マジッド・マジディ監督の“太陽は、ぼくの瞳”は本当に素晴らしかった。機会があれば観てみてください。出逢えてよかったと思える映画でした。