黒澤明監督“まあだだよ”

 いい映画でした。
 場が人をつくることもあるけれど、ひとりの人物そのものが場のように広く大きな存在になり得ることを教えてくれる映画でもありました。
 都市や形あるものが焼け落ちたり、崩れ去っても残るものは人間関係であり、それこそが人生の財産だと素直に思えた。どんなに時代が変わっても、一つの縁、一つの出合いにこそ人生の醍醐味やおもしろみがあるんだよな。やっぱり出合いは大切にしたい、今以上に。
 私も、内田百輭さんのような天才バカボン的おじいちゃんになることを目指して、30代を必死に生きたいと思う。年齢を重ねるほど、人生はきっともっとおもしろくなるはずと直感しているから。

 *ちなみにうちのノラちゃんも家に帰って来ません。三味線の皮にでもなっているのかもしれません。悲しい。あの世で逢えるかな。アーメン!